スーツ歴史講座 第一回  18世紀(1700年代)〜19世紀後期(1890年代)

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みなさまこんにちは!!

 

アーク春日井店 加藤です。

 

本日から、いつも何気なく着ているスーツの歴史やスタイルについてお話ししようと

思います。

年代別に分けて当時のスタイルや時代背景を少しでもお伝えできればとおもいます。

 

時代背景を知った上でスーツを着こなすとまた面白いかもしれません(^^)

これで貴方もスーツ博士になれるかも!!

 

 

1701年〜1799年(18世紀)

 

時代は18世紀まで遡ります。

18世紀半ば〜19世紀にかけて英国では産業革命が起き、経済が発展し、

18世紀後半にフランス革命が起こり当時貴族が愛用していたブリッチェス(半ズボン)

に変わり市民が履いていたトラウザーズ(スラックスや長ズボン)が流行しました。

それと同時にフランスパリは革命で疲弊し、メンズファッションの中心はパリから

ロンドンへと変わって行きました。

ここが英国がメンズファッションの地と言われるようになったきっかけといわれます!

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ブリッチェスの写真

 

 

 

1800年~1900年(19世紀)

 

19世紀に入るとトラウザーズはすっかり定着し、

それまで華美だった宮廷衣装に変わり、

燕尾服(スワローテールコート)、ウエストコート(ベスト)、トラウザーズ(スラックス)

という異なる生地で作られた3点セットがフォーマルな主流になっていきました。

 

 

当時の貴族は一日4回以上着替えを行うというので驚きです。

何を行うにも専用の洋服を仕立て着替えていたそうです。

 

貴族は広大な土地を持ち、屋敷には執事や家来がいる為働きたくても働けない身分でした。

とにかく貴族は暇だったんですね・・・

 

そんな当時の貴族の日課といえば、朝起きたら散歩をし、適度な運動といい

乗馬を楽しみます。

散歩には散歩用の乗馬には乗馬用の服に着替えていました。

 

当時貴族の間で流行していたフロックコートモーニングコートが日常着として

使われていました。

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モーニングコートの写真     フロックコートの写真(黒でダブルブレストが正式)

 

 

その中でも最も大事だったとされるディナー時の洋服の変化が現代スーツに大きな影響を

与えました。

 

ディナー時、必ず服を着替えなければいけませんでした。

男性は燕尾服

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燕尾服の写真

 

 

女性はイブニングドレス

 

当時のディナーは現代では考えられないほど堅く、静かに始まり、常に堅苦しい雰囲気が

漂っているような状況で下品な会話などしてはいけませんでした。

 

女性がいる場ではワイン以外の強いお酒もNGとされていたそうです

もちろんタバコもNGでした・・・

 

そんな感じでディナーを終えると男性と女性は別々の部屋へと分かれます。

女性はシッティングルームというお茶を飲む部屋へ

男性はラウンジルーム(スモーキングルーム)ヘ   ※ラウンジとはくつろぐという意味

 

男達はラウンジルームでお酒やタバコを楽しみました。

その際に燕尾服のタイトなフィッティングとテールが邪魔でくつろげないと

いう理由からラウンジルームではテールをカットし動きやすいゆったりとしたラウンジジャケットを考案し

着用するようになりました。

 

 

1848年頃 現代スーツの原型と言われるラウンジジャケットが誕生

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ラウンジジャケットの写真

 

このラウンジジャケット(米国ではサックスーツという)ですが、ディーサイドジャケット(ツイードサイドジャケット)

といわれるスコットランドのワーキングウェアがモデルになった説もあれば燕尾服にタバコの

匂いがつくのがタブーとされていた為、タバコ用の丈の短いスモーキングジャケットがモデルになった

という説もあります。ちなみに、スモーキングジャケットはディナージャケット(タキシード)のモデルにもなったと言われています。

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ディーサイドジャケットの写真      スモーキングジャケットの写真

 

 

当時の技術なので作りも雑で荒く最初の頃は耐久性がなく苦労したそうです。。

又、今では当たり前となっているミシンも英国系アメリカ人のエリアス・ハウによって

1845年に発明されました。

この発明により、職人の手仕事で支えられていたオーダースーツから快適で着心地の良い

レディメイド(既製服)スーツが作られるようになりました。

そして、世界で初めてブルックスブラザーズによってレディメイドスーツが1849年に登場しました。

 

ブルックスブラザーズは実用化されたばかりのミシンを工場に導入し、いち早く分業体制での

既製服の製造を成功させました。

 

これだけ楽で着やすいならラウンジ以外でも着ようとする流れが強くなり

1860年を過ぎるとラウンジジャケットが急速に普及します。

それに伴いジャケット、ベスト、パンツを共布で作るスリーピースが

でてきたのもこの時だと言われています。

 

1890年にはいるとスリーピースもすっかり定着し、シャツもウイングカラーから

レギュラーカラーが定番になっていきました。

1890年代のスーツを見てみるとだいぶ現代スーツになっていったとおもいます。

 

こうしてラウンジジャケット(サックスーツ)がビジネスウェアとしての地位を確立していき、

テールコート類(フロックコート、モーニングコート)はフォーマルウェアに格上げされていきました。

 

 

いかがでしょうか。

普段何気なく着ているスーツにはこんな歴史があるのです。

面白いですよね。

 

オーダースーツに興味がある方、お仕立てを検討されている方

ぜひ一度お近くのアークまで足をお運びください。

知識、経験豊富なスタッフが相談に乗らせていただきます。

 

 

 

次回のスーツ歴史講座 第2回は1900年~1920年にフォーカスしていきたいと思います。

 

長々とお付き合いいただきありがとうございました。

また次回(^^)

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